【新館】新館ギャラリー|久保田一竹美術館 ITCHIKU KUBOTA ART MUSEUM

【新館】新館ギャラリー

2011年4月にリニューアルした新館(1997年7月完成)は、手積みによる琉球石灰岩(サンゴ等の堆積岩)の8本の円柱に支えられた回廊を持つ革新的な建築物。
床は同じ琉球石灰岩を敷き詰め、壁はサンゴを焼いて粉末状にし、ワラを混ぜて醗酵させ、手作業で塗った[沖縄漆喰]です。インテリアには、インド、アフリカ、東南アジアのアンティーク家具が使われています。
新館には、一竹がコレクションした貴重な蜻蛉玉(とんぼだま)を展示する「新館ギャラリー」の他、開放的な雰囲気でお庭をご覧になりながらくつろいでいただける[ミュージアムカフェ]、蜻蛉玉のアクセサリーや、和雑貨などを扱う[ミュージアムショップ]があります。

庭のアプローチを抜けるとあらわれる、斬新な形貌をたたえた新館。

新館の新館ギャラリーでは、一竹が永年に渡り収集してきた[蜻蛉玉(とんぼだま)]を展示しています。
ガラスに色文様を施した[蜻蛉玉(とんぼだま)]は紀元前3000年あたりに生まれました。ヨーロッパや西アフリカをはじめ、それぞれの地域によって様々な意匠が作られ、その色文様と同じくらいの数の意味合いを持ちます。また、重要な交易品として時代を越えた背景もあり、蜻蛉玉は広く世界中に流通しました。権力を誇示する象徴として、ときに語ること以上の意味をもった第三の目として、ときに人々の心の依り所として。広まったその先々で様々な付加価値が生まれました。

久保田一竹が蜻蛉玉と出会ったのは6歳の時。骨董商を営んでいた父の秘蔵の引き出しにしまわれていた数々の蜻蛉玉に魅入られ、震災で消失した後も、取材のかたわら、世界各国で収集していました。感性豊かな幼年期に受けたインスピレーションは、その後の一竹の制作活動に大きな影響を与えています。

これら古代人たちの美意識の凝縮した小宇宙ともいうべき蜻蛉玉の数々を、自然界の万物と共存を続ける人間たちの次代への【美しき芸術・文化の遺産】として展示しております。小さなガラスに秘められた歴史のロマンと永遠の生命を感じていただけることと思います。