一竹辻が花染め|久保田一竹美術館 ITCHIKU KUBOTA ART MUSEUM

一竹辻が花染め

【辻が花染め】とは、室町時代に栄えた縫締絞の紋様染で、名称の由来は定かではありません。始めは庶民の小袖から始まったと言われていますが、後に武家に愛され、高級品として一世を風靡します。しかし、江戸時代の初期にその姿を消してしまいます。幾つかの説が挙げられていますが、より自由に絵画的表現の出来る友禅の出現により、辻が花染は衰退したとされる説が有力です。

二十歳の時にこの【辻が花染め】と出会った久保田一竹は、その美しさに心惹かれ、伝統技術の再現に加え、独自の息吹を吹き込み、一層の深化を遂げることに成功しました。
赤貧、苦難、失敗の末、その完成を遂げたのは久保田一竹60歳の時。この作品を【一竹辻が花】と命名しました。

唯一無二の世界観のもと、染料と素材の間に起こる現象を知り尽くしたその知識と手でデザインごとに技法を変え、複雑な染色工程を経て生み出される作品群。理想とするイメージの着物に仕上がるまでに一年を要したものもあります。

着物の上に展開された、精妙且つ大胆で広大な宇宙をご覧ください。

一竹辻が花染め